どうも、めんどくさがりゆえ歯科の定期検診はサボりがちだったmendoです。
妊娠9カ月ともなると妊娠期間もいよいよ後期です。そんな時期に……
歯が痛い!
なんと親知らずが虫歯になっていました。本記事は、虫歯の発覚から臨月のタイミングでの抜歯に至るまでの元妊婦の壮絶記録になります。
虫歯の発覚(妊娠8ヶ月・29週)
筆者はフルタイム勤務のワーママでした。辛い通勤もそろそろ卒業、やっと産前休業に入れる!と心躍らせていました。
そんな矢先、ある日の夕食で“ズキン”と嫌な奥歯の痛みが……。
まさか、と思い鏡で口の中を見ると、右奥の歯に黒い影が。爪でコンコン、と刺激すると確かに親知らずが痛みます。
その日の
食事は虫歯のない左側で噛むようにしました。
しかし一回痛みを感じて以来、常に右奥歯には刺激がいってしまうようで、食事が思うように取れなくなってしまいました。
噛むたび、頭痛も生じるように。これはまずい!歯科にかかろうと思った頃には夜で、翌日朝に、急患で見てもらうことにしました。
初診の応急処置で一命を取り留める(妊娠8ヶ月・29週)
翌日、近所の歯医者さんに行きました。やはり、右下の奥、親知らずが虫歯になっていることがわかりました。
虫歯が神経まで達しているため、頭痛もこれに起因していたようでした。
診察を終えて、
根幹治療はもちろん抜歯なのですが、8カ月の妊婦だから過酷かも。抜歯は出産後にしよう、それまでは応急処置で乗り切ろう!
ですよねえ!
歯医者さんに提案いただいた応急処置は、噛み合わせに親知らずが当たらないように削るというものでした。
応急処置概要
- 今のところは咀嚼することで痛みが生まれる
- 噛み合わなくなることで、神経への刺激回数が減る
- 親知らずの歯を短く削って噛み合わないようにしよう!
- 頭痛も緩和するだろうとの見立て
上の歯に当たって痛いところを軽く歯ぎしりをして印をつけて、先生にそこを削ってもらい……という処置を何回か繰り返しました。
わざと痛いところに当てるので、削るのと同じくらい痛かった……!
処置が終わり、虫歯のある親知らずが上の歯とかみ合わなくなりましたがまだズキズキ。
削ったことで刺激したから、しばらくは痛むかも。とのことでした。
痛み止めの薬も不要とのことで、その日は治った気がしないまま帰宅しました。
翌日には痛みが引いていました。食事の時も、右奥を避ければ滞りなくできるように。翌週には虫歯のことを忘れるくらいでした。
平和期(妊娠8ヶ月30週〜32週)
虫歯の親知らずが痛みだし、応急処置をしてもらったことでとりあえず一安心。処置後の翌週には虫歯で苦しめられていたことすら忘れてしまうくらいでした。
後にこれが虫歯の成長期間だったと知るのです…
痛みの再発と再診(妊娠9カ月・33週)
平和に暮らし、このまま順調に出産までいくんだろうなと思っていたのも束の間でした。処置から1ヶ月ほど経ったときにまた同じような痛みが出たのです。
この痛み…!ヤツだ……!!
半泣きの状態で再び、前回お世話になった歯医者さんへ行き、同じ処置をしてもらいました。
ところが前回同様、翌日には痛みが引くものかと思いきや今回は違いました。
噛み合わせを削ったけれど食事をしていない時も慢性的に歯が痛い。頭が痛い。虫歯が悪化してしまったのではないかとよぎりました。
すぐに再診を検討しましたが、前回は痛みはあれど1日経つと収まる傾向にあったため、今回も待ってみることにしました。
翌々日。快方への祈りは叶わず歯の痛みは増すばかり。
この日は慢性的な痛みで食事がとれませんでした。また、頭痛が辛く1日中寝たきりでした。血流を悪くした方がいい、とのことでずっとこめかみあたりを冷やし、この日はお風呂にも入ることができませんでした。
夜中ずっと痛みに耐え、睡眠もままならなくお腹が大きい妊婦にはとてもきつい時間でした。
ここまで歯医者さんに通いたいと心の底から願ったことはありません。
紹介状の別の歯医者へ。別の応急処置(妊娠9ヶ月・34週0日)
翌日行きつけの歯科へ急患でかかることができました。状況を詳しく話すと、
レントゲンを撮ってみないと、わからない段階にきているね。紹介状を書くから別の病院で見てもらってくれるかな?
なんと、近場ですまない事態になってしまっていたようでした。
ここでは抜歯もできないとのこと。仕方なく、何も処置ができないまま次の日を待つことに。
ほとんど眠れない日が2日連続になってしまいました。これでは体力が持たないと命の危機を感じるように。晴れて翌日、紹介された大病院の歯医者さんへ伺いました。
今までの経緯をお伝えしたのですが、やはり応急処置にとどめておいたほうがリスクを考えた上で、抜歯はおすすめできないとのこと。
主な理由は、以下でした。
- お腹が大きい状態で仰向けの姿勢をキープすることが難しい
- 体調不良の原因になりかねない
- 術後の痛み止め薬は種類が限られているので効能が望めない場合がある
- 術後の痛みのストレスで早産のリスクがあること
- 抜歯にはレントゲン撮影と麻酔が必要で、それが胎児に影響がないとはいえない
この日の結論は「痛み止めの薬を患部に塗布、それで1週間様子をみましょう」とのことでした。
それでも難しい場合は、神経を殺す処置にシフトして出産後に抜歯だそうです。
1週間……、悠長じゃないかしら……
4日後と気持ちはやく予約をとってしまいました。
抜歯の決意(妊娠9カ月・34週1日)
紹介状の大病院での判断で応急処置の薬を塗布して半日。
一向に症状の緩和がみえなく、これで次回検診まで耐えられない!と正直思いました。
そこで、先日思いとどまった「妊婦が抜歯をするリスク」について再度自分なりにメリットとデメリットを整理しました。しどろもどろでした。
- お腹が大きい状態で仰向けの姿勢をキープすることが難しい→根性で頑張る、難しかったら休ませてもらう
- 体調不良の原因になりかねない→今も食事が取れず頭痛があり、体調不良であることには変わらないし怖いものがない
- 術後の痛み止め薬は種類が限られているので効能が望めない場合がある→怖いが、現状の歯痛
- 頭痛もかなり痛いのですり替わったものと思うようにする。
- 術後の痛みのストレスで早産のリスクがあること→今も十分ストレスにさらされているので今更怖くない
- 抜歯にはレントゲン撮影と麻酔が必要→わからん!産科の先生に聞いてみよう!
先の見えない経過観察の日々が続くんだったら、いっそ親知らずを抜いて、それで苦しむほうが……と考えるように。
人って限界になると究極の選択をバシッとできちゃうものです。
気になるのは、胎児への影響でした。行動あるのみ!とすぐ産婦人科の先生に電話で相談しました。
すると、「抜歯、レントゲン、麻酔OK!痛み止めはカロナール厳守なら」とあっさり快諾。抜歯を決意し翌日に同じ歯医者さんへ行きました。
抜歯決行(妊娠9ヶ月・34週2日)
翌日すぐの予約に歯科の先生は少し驚かれていましたがなりふり構っていられません。
やっぱり抜いてほしい、また、産婦人科に問い合わせた経緯もお伝えしました。
がんばって、という感じでなんとか受け入れてもらうことができました。
まず、憎き親知らずの形状を探るべく防護エプロンを装着レントゲンを撮りました。
そして、いよいよ手術です。椅子を仰向けに倒されますが、お腹に負担がかからないように、ひざを曲げた状態でのぞみました。
レントゲンの解析に夜と虫歯の進行はかなり進んでいたらしく、麻酔がなかなか効かず少し痛みが残った状態で処置が始まりました。
そこからは早くて、ぐりぐりと歯に器具をねじ込まれ(もうなるようになれ、と心を無にしていました)ぐっと顎に力が加わりました。
親知らずは以前抜いたことがあったのでこの感覚は経験ずみ。もちろん怖いのですが、眠れない日々や、終わりのない死にそうな痛みから解放されると思うと気持ちはとても軽いものでした。
終わりのない痛みより、(抜歯後の)終わりのある痛みの方がポジティブよね〜〜
そんなこんなで3分もたたないうちに「抜けましたよ〜」と意外にもあっさり処置は済んだようです。痛みはほとんどありませんでした。
術後の経過(抜歯当日)
ものの数分ほどで処置が終わったとはいえ、力んでいたことや緊張でかなり体力は消耗したようでした。
貧血気味でもあったので、止血の経過観察も兼ねて30分ほど別室で寝かせてもらいました。
抜歯直後は麻酔が効いているため、痛みを感じません。麻酔が切れた後の2,3時間後の痛みを覚悟しながら帰りました。
帰宅後、気を紛らわすため少し昼寝。目覚めると思ったより、痛くないことに気づきました。口の奥内側にきゅうっと違和感がある感じ。ぽっかり穴は空いています。
虫歯に苦しめられていた時の痛みの方が痛かったってこと!
術後の経過(抜歯翌日)
処方いただいた薬は、痛み止めのカロナールと抗生剤でした。痛み止めは飲むと少し痛みが緩和されましたが、慢性的に痛みは付いて回っていました。
食事は、おかゆとヨーグルト、鉄分は飲料物で済ませました。親知らずを抜く前の痛みよりだいぶ緩和されているので、抜いて良かったと思いながらの食事でした。
術後の経過(抜歯から2〜4日)
歯を抜き、痛みがかなり軽減したおかげで食欲がだいぶ戻ってくるように。トーストや親子丼、そばなどを食べました。
また、抜歯4日目には再診に行きましたが、経過が問題ないようで、抗生物質をもらいまた。3日後様子を見るとのことでした。
術後の経過(抜歯から一週間以降)
2回目の経過観察に行き、特に抜いたところの異常が見られなかったため定期的にお掃除してもらうように通うことに。
その後の経過は良好で、無事出産日当日に元気な赤ちゃんを産むことができました。
まとめ:臨月の妊婦も親知らずの抜歯は可能。ただ、かなり強い要望をしないと歯医者さんは受け入れてくれない。
妊婦の親知らず抜歯の体験談、いかがでしたでしょうか。
今回筆者に反省があるといえば、安定期の歯科検診を怠ったことでした。このとき、親知らずの軽度な虫歯に気づいていれば今より元気なタイミングで抜歯ができたと思います。
しかし、臨月になったとはいえ、抜歯はできます。
ここのジャッジは状況や、本人の性格の問題もあると思います。
しかし、少なからず主に体調面でリスクがあるためお医者さんは立場上勧めることを躊躇する傾向にあると感じました。
不安になるとつい、いろいろ調べ物をしたり専門家に投げかけてしまうと思うのですが、主人公はわたしです。お産も、虫歯の痛みとの付き合い方も自分が決めていいのです。
下記に、懸念事項をまとめましたので、おなじような悩みを抱えられている妊婦さんは是非判断材料に使ってくださいね。
【妊婦用】抜歯する?やめておく?チェックリスト
抜歯推奨
- 陣痛と歯痛が同タイミングで来るのをなによりも避けたい。
- 歯痛にさいなまれる生活からはやく脱却したい。
- 歯痛の痛み止めがいよいよ効かない。
- 産後の抜歯、通院が嫌。
- →産婦人科さんに体調をみてもらい、抜歯における懸念事項(歯医者さんへの伝言など)を聞いてすぐ抜歯しましょう。
抜歯非推奨
- 歯痛があるが、歯医者さんの痛み止め処置で持ちこたえられそうだと思う。
- 歯痛があるが、妊婦が使える痛み止め「カロナール」で抑えられる。
- 自身が産後の体調が安定した時期に、抜歯・通院できる環境にある。
- →進行を食い止めるべく、定期的に歯医者さんで掃除をしてもらい、二人三脚で出産に備えましょう。
出産にトラブルはつきものですね、このタイミングでの抜歯、正直とても怖いものでした。
しかし、案ずるより産むがやすしというやつで(出産だけに)爆弾を抱えながら生活していた日々より気持ちがすっと楽になったほうが、個人的には大きかったです。
筆者の経験が誰かのお役に立てることを祈っています。
同じ境遇を経験された方に、今後出会うことがあるとしたらきっと一瞬で意気投合して何時間も熱く語り合える気がします
ここまで読んでくださりありがとうございました。
最後になりますが、このブログではこのブログでは、mendoがめんどくさい人生のあれこれを、合理的&おしゃれをコンセプトに女性目線のライフハックの研究・発信を続けています。
日本全国のめんどい同盟のみなさま、今後もどうぞよろしくお願いします! それではまた。
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